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JDA春期大会に出場して

竹内 直志(慶應高校ESS)

web掲載: 2002.5.1


[目次]
1 はじめに
2 出場の決定
3 プレパレーションの開始
4 練習試合
5 大会当日
6 決勝戦
7 大会を終わって


1 はじめに

 今回,私たちの大会までの経緯などを文章にする機会を与えていただいたわけですが,どういう形で筆を進めればいいのか,とても迷っています…あまり凝った文章を書けないので,一応,流れを追って,振り返っていきたいと思います。

2 出場の決定

 そもそもなぜ高校生である私たちが,社会人の方も参加されるというこの大会に出場したかというところから,話をすすめていきましょう。

 私たちは一般にも知られたディベート甲子園を目指すのではなく,高校のESSとして,英語でディベートをやっています。何人かのNAFAの方にはジャッジにお越しいただいたりしていますから,そうゆう方にはどういうことをしているかお分かりになると思いますが,大学より簡単なルールで,ちゃっちくやっています。このような環境で,約二年間大会に出て,色々と経験してきたわけです。

 本大会出場の直接的なきっかけは,今年の新年に行われた私たちのディベート大会である,New Year Debateで,ジャッジをしていただいたKDSの方から,出てみないか,と言われたことでした。この大会では一年生を指導する側として参加したのですが,やはり試合を見ていると,どうしても出たいって気持ちが起きます。そんなことを気軽に話していたら,この大会の存在を教えてもらって,その時のノリでパートナーの庄司と出ようってことで,簡単に決まってしまいました。ここまでの決断は互いにとても早かったです。

 といっても,やはり高校生と大学生には大きな差があると思います。一番大きなハンディは英語力でしょう。その点で今回は日本語でのディベートということで,かなり助かったと思います。他には,実戦経験の差もありますが,体系的な教育をされないていない,というのも大きかったと思います。つまり,高校では大学ほど徹底的に主張根拠などを教え込まされないので,どうしても学ぶ場所は実戦,そしてそこでの勘が発達してきたような気がします。そう考えると,私たちが挑戦したことは,ある意味無謀だったのかもしれません。

3 プレパレーションの開始

 しかし,幸運なこともありました。それはプレパ期間を長く取れたということです。私たちの学校は普通の学校より一ヶ月も前に春休みに入るという,恐ろしい休みの長さを誇っています。プロポが発表されて,一週間くらいでテストが終わり,一呼吸おいてプレパに入ったのですが,それでも十分すぎるくらいだったと思います。

 そのような環境の中でプレパを開始したわけですが,一番はじめに出てきた話題が,プロポ(論題)がいまいちわからない,でした。とりあえず,今回は論題の理解を厳密に考えることから出発したと思います。共に出てきた感想は,あいまいすぎる,で,プランを考えるのも大変でした。それでも,自分たちが使ったケースを決めた後は,それほど肯定側の議論で困ったことはありませんでした。

 むしろ大変だったのは否定側の方です。これは論題のあいまいさと関係してくることですが,数多くのケースが考えられるので,一応それぞれにそれなりのブリーフを用意したからです。かなり暇人がするようなことですし,実際否定側での試合は一試合だけだったというのも,今となってはなんともむなしいことですが,それだけのプレパをしたからこそ,ゆとりを持って試合に臨めたんだと思います。

 他にはエビデンスを取るのに,かなりインターネットの新聞検索を多用しました。これが便利で,学校のパソコン教室に閉じこもってプレパ(エビデンスとり?)をしていました。

4 練習試合

 プレパ中に,もちろんPD(練習試合のことで,私たちの学校では,Practice Debateといいます)をしました。他のチームに比べて積んだ回数が多いか少ないかはわかりませんが,少なくともよかったのが,大学生であるKDSの方とできたことです。このPDをやったのは本番のちょうど一週間前で,その時までに満足のいく準備をしておらず,恥ずかしい試合をしてしまったのですが,とても参考になりましたし,貴重な経験となりました。しかし,その後ブリーフ読み練したほうが効率いいんじゃないか,という話になって,ほとんどPDをしませんでした。

 ただ,もう一日だけ,同じ学校の同じクラブに所属している,原田,松林チームとやりました。これは本番の2日前だったと思います。そのころにはほとんどやるべきことも終わって,暇をかこっていたので。彼らはこの大会の出場を決めたのが随分と遅く,そのためプレパも私たちに比べ短く,はっきりいってかなり苦しそうでした。それでもよくこの短時間にできたなぁと感心したのを覚えています。

5 大会当日

 さて,次に試合本番について述べていきたいと思います。

 大会が始まる前は,まるで自分が田舎から都会に来た子供であるかのような感じでした。会場のスケールや参加者数などどれをとってもこれと同じ感想しか出てきません。はっきりいって高校の英語ディベート大会とは比較になりませんでした。

 しかも,周りは皆大学生ばかり。さすがに緊張しました。それでも一試合目がはじまってからは,試合に集中できました。緊張の源が,大学生とやりあえるか不安,ということだったので,その後もリラックスできたと,自分では思っています。

 でも,やはり勝敗の判定の時は緊張します。いつでもそうなんですが,こういうのが苦手なんです。しかも目の前で考えて,出されるというのは,耐えがたいものでした。

6 決勝戦

 ここで,フロー見てもあまり思い出せないんで,予選をとばして,スクリプトを見ながら決勝の方を述べたいと思います。

 決勝進出が決まって前の席に移動した時には,もう大変って感じでした。これは,先ほど述べた,年上の方と戦う緊張ではなく,普通に人前でやることに対してのものでしたが,とにかく1AC(肯定側第一立論)後の質疑応答までは,がくがくで,自分でも何言ってんだか,って,突っ込みたくなるようなありさまでした。スクリプトを見て,思わず苦笑の連続です。消し去りたいくらい。この点については,パートナーからも,後ほど言われましたけど。

 そんなこんなで,自分の中では混乱したままラウンドが始まったわけですが,庄司が2C(第二立論)で落ち着いてできていたので,よかったです。はっきり言ってそれに助けられたところもあったと思います。

 自分としては1AR(肯定側第一反駁)では結構落ち着いてできていたと思います(もっとも1ARの性質上,落ち着くなんてことはできませんけど)。でも,やっぱり時間内に仕事が終わってなかったと思います。フローにそう書いてあるので…個人的には相手のNegative Block(否定側第二立論・第一反駁)での詰めが甘かったと思うので,そこまで失敗したわけではないのですが,それでもさすがにファイナリスト(決勝戦進出者)の重み,を身に染みるように感じながらやってました。

 でも,そんな人たちと一緒にディベートできたことだけで,実は幸運だった,ということに気づいたのは,もう何日もたったあとでした。

7 最後に

 最後になりますが,関係者の皆さんに,サンクスワードと重複しますが,改めてお礼を言わせていただきます。私たちは今度三年生になり,引退なので,もう大会には出ませんが,私たちはともかくとして,他に同学年や,後輩にもディベートが好きで,またそれなりに強い子も沢山います。これは私たちの学校に限らず,他校のESSでも同じことです。これからは彼らがまた頑張っていってくれるでしょう。

 そして,大学生の皆さんも,是非高校ディベートに目を向けて,色々と協力していただけると幸いです。大学のほうではどういう状況かわかりませんが,高校では昔ほど盛んでなくなっているのは事実です。是非両者で盛り上げていけたらいいなぁと思います。

 

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